日本の漫画やアニメのご先祖様?「南総里見八犬伝」

今回は江戸時代の作家「曲亭馬琴」が書いた長編伝奇小説「南総里見八犬伝」について紹介します。

目次

日本の漫画やアニメのご先祖様?南総里見八犬伝とは?

南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)は、江戸時代の文豪・曲亭馬琴が1814年から1842年にかけて刊行した長編伝奇小説です。全98巻106冊で、当時としては空前絶後の大作でした。

南総里見八犬伝は、安房の国(現在の千葉県)を舞台に、里見氏と安西氏の戦いを描いた物語です。里見氏に仕える犬塚八犬士は、それぞれが仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌の八つの宝玉の力を持っており、安西氏との戦いに立ち向かいます。怪奇な物語は大きな評判を呼び現代のアニメや漫画にも大きな影響を与えました。

南総里見八犬伝のあらすじ

南総里見八犬伝は、安房の国で生まれ育った犬塚信乃が、愛犬の八房を助けるために安西氏に立ち向かうところから始まります。信乃は、八房の死後、八房の母親である伏姫から、八つの宝玉の力を与えられます。信乃は、八犬士の一人として、安西氏との戦いに立ち向かいます。

安西氏との戦いは激しく、信乃たちは何度も命を落としかけますが、八犬士の力と、里見氏の助けもあり、最終的には安西氏を倒すことができます。信乃は、里見氏の重臣となり、安房の国を平和に導きます。

南総里見八犬伝の登場人物

南総里見八犬伝には、多くの登場人物が登場しますが、その中でも特に重要な人物は、以下のとおりです。

  • 犬塚信乃
  • 犬坂毛野
  • 犬村大角
  • 犬山道節
  • 犬飼現八
  • 犬川荘助
  • 犬神小文吾
  • 犬塚信行

南総里見八犬伝の魅力

南総里見八犬伝は、その長大な物語と、数多くの登場人物、そして、勧善懲悪のストーリーが魅力です。また、南総里見八犬伝は、日本の漫画やアニメの原点ともいわれています。

各地に散らばった犬士たちが集まり仲間になって戦う、主人公たちがそれぞれ自分を象徴するアイテムを持ち異なる能力を持っている、また8つの玉同士の距離が近づくと感応しあってその存在を教えるというのも、今の漫画にもありそうな設定ですよね。

また様々な戦いや仇討などを題材として描かれるケレンミのあるストーリーも現代の漫画やアニメに通じるものがあります。

南総里見八犬伝の影響

南総里見八犬伝は、日本の漫画やアニメに大きな影響を与えています。例えば、手塚治虫の『火の鳥』や『ブラックジャック』、藤子・F・不二雄の『ドラえもん』、鳥山明の『ドラゴンボール』などは、南総里見八犬伝から影響を受けているという事が語られています。アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」は八犬伝の登場人物をモチーフにしています。他にもゲームの「大神」なども八犬伝をモチーフにしたキャラクターが出てきます。

南総里見八犬伝は、日本の漫画やアニメの歴史の中で、重要なエンタメ作品の「ご先祖様」的な作品の一つです。

作者曲亭馬琴の経歴

曲亭馬琴(きょくていばきん、明和4年6月9日(1767年7月4日) – 嘉永元年11月6日(1848年12月1日))は、江戸時代後期の読本作者。本名は滝沢興邦(たきざわ おきくに、旧字体: 瀧澤興邦)で、後に解(とく)と改める。号に著作堂主人(ちょさくどうしゅじん)など。

馬琴は江戸深川の旗本松平信成の用人を務める滝沢運兵衛興義の五男として生まれた。幼い頃から文才に秀で、10歳で『水滸伝』を読み、その影響で小説家を志すようになった。15歳で山東京伝に師事し、黄表紙の著作を開始した。

馬琴は、当時の読本界に新風を吹き込み、多くの傑作を世に送り出した。代表作には『椿説弓張月』『南総里見八犬伝』『傾城水滸伝』などがある。馬琴の小説は、勧善懲悪の物語であり、当時の読者から広く愛された。

馬琴は、江戸後期の化政文化を大きく担った人物であり、その功績は高く評価されている。馬琴は、ほとんど原稿料のみで生計を営むことのできた日本で最初の著述家であり、日本の小説の歴史に大きな足跡を残した。

馬琴は、嘉永元年(1848年)82歳で死去した。命日の11月6日は「馬琴忌」とも呼ばれている。墓所は東京都文京区の深光寺にある。

千葉県の里見聖地巡礼「伏姫籠穴」

千葉県には八犬伝にまつわる名所が多くあり中でも伏姫龍穴が有名です。

有名な書籍メディア情報

現代語訳 南総里見八犬伝 上 (河出文庫) 

南総里見八犬伝 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)

映画「里見八犬伝」1983年、東映・角川映画、監督:深作欣二、出演:薬師丸ひろ子

アニメ「THE八犬伝」

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