「ピースメーカー」とは何者か?

今回はDCのアメコミキャラクターのピースメーカーについて詳しく解説していきます。ドラマ版を見て興味を持った方も是非見ていって下さい。

目次

●ピースメーカーとは何者か?

DCコミックスのアメコミキャラクター。本名クリストファー・スミス。

愛国者であり「ヴィジランテ」(法に頼らない自警団)でもある。自分の信じる正義の為には暴力も厭わず、悪人(とピースメーカーが認定した人物)には容赦しない。

ヒーロー(正義)とヴィラン(悪)の中間にいるような人物である。

そしてアメコミの例にもらず今と昔で設定がだいぶ違う

昔の設定(1960年代)

平和主義の外交官であるクリストファー・スミス

軍の人間ヴォルフガング・シュミットの息子であり、平和に熱心に取り組んでいたため、大義を推進するためにスーパーヒーローとして活動を始める。武力行使も厭わないという設定はこの頃も同じ。当時は戦争コミックスが流行っていたのでその流れでの愛国者設定だと思われる。(当時はキャプテンアメリカなどもバリバリの愛国者設定だった)

最近の設定(1980年代~)

父親がナチスの強制収容所長だったという設定で、父は既に亡くなっている。その事も関係し精神疾患を抱えており、彼は父親の霊が常に自分につきまとっていると信じている。

愛国者でもあり上記の設定により精神疾患を抱えている事もあり、ほんの少しの挑発でも相手を殺す、危険な自警団員という位置づけのキャラクター。

彼は、自分が殺した人々、または彼の近くで殺された人々の幽霊がヘルメットの中に集められ、アドバイスや解説を提供してくれると信じ始める…という中々ヤバい設定。こっちのキャラクター設定の方がドラマ版の設定に近いですね。

●ピースメーカー出版の歴史

ピースメーカーのキャラクターはチャールトン・コミックが所有し、後にDCコミックスが買収した。

1966年にコミックス初登場

1980年代半ばにチャールトン・コミックスが消滅した事により

DCコミックスが「ザ・ピースメーカー」を買収し、4号のミニシリーズ(1988年1月-4月)を公開した。

●チャールトンコミックス

チャールトン・コミックスは、 1945 年から 1986 年まで存在したアメリカンコミックス出版社。

編集から印刷、流通に至る出版のすべての分野を管理しているという点が当時の出版業界では珍しかった(通常は編集と印刷、流通を行う会社は別)

アメコミ業界のクリエイター搾取は当時から当たり前にどこの出版社でもあったが(日本とは違い作者に創作物の権利が無く出版社が著作権などの権利を持つ。アメコミのクリエイターの権利についてはこれまで何度も裁判などで争われている)

その中でもチャールトンコミックスの漫画制作者への報酬は業界で最も低い水準にあり、低予算で知られていた。

1980年代にコミック業界は全体的に売上不振に陥りチャールトンコミックスの経営状態は悪化した。新しい企画や試みも失敗に終わり、また老朽化した印刷機や劣化した施設を交換する資金の余裕も無くなり1984年にチャールトン・コミックスは出版を停止し1986年に消滅した。

⚪︎チャールトンコミックスとウォッチメン

チャールトンコミックスが消滅した際に出版社が所有する多くのキャラクターはDCコミックスに買収された。

そしてDCコミックスで販売された「ウォッチメン」にチャールトンコミックスのキャラクターを使用する事が検討されたが、そのプランは実現に至らなかった。その代わりにウォッチメンにはチャールトンコミックスのキャラクターをモデルに作り上げられたキャラクターが何人か登場する。

コメディアンのモデルはピースメーカー

ウォッチメンに出て来るコメディアンというキャラクターのモデルはピースメーカーである。ピースメーカーの愛国主義的なキャラクターと暴力性をより前面に押し出したようなキャラクターとなっている。

またウォッチメンに出て来る人気キャラクターの「ロールシャッハ」はチャールトンコミックスのキャラクター「クエスチョン」がモデルとなっている。

●ドラマ版

ドラマ版のピースメーカーは2021年に公開された映画「スーサイドスクワッド」のスピンオフとして制作された。

最初はスーサイドスクワッドの監督であるジェームズガンがコロナの隔離期間中の暇つぶしを兼ねて個人的な楽しみの為だけにピースメーカーの起源についての話を考えた。その後ガンは考えたアイディアをプロデューサーに伝え、DCコミックスから正式にピースメーカーのスピンオフシリーズを制作する依頼を受けた。

そして完成した作品が2022からHBOにて配信された。

●ドラマ版のアメコミとの違い

まず時代設定が違うので、愛国者という設定一つとってもアイディンティティが異なってきます。現代における白人の愛国者という設定がドラマ版ではうまく脚本に落とし込まれていますね。また現代の深刻な格差社会や白人のブルーカラー層が貧困が原因で愛国主義や白人至上主義に走るという現代的な問題もより強調されています。

その他の違いとしては原作では故人の父親が生きている、父親がナチスではなく白人至上主義者のネオナチ、詳しく書くとネタバレになるので詳しくは書きませんが、ピースメーカーの子供時代の兄弟との事件などです。

ホワイトドラゴンはアメコミにも登場するキャラクターですが、ピースメーカーの父親では無いです。ただ白人至上主義の過激な愛国者という設定は同じなので割とあのままのキャラクターです。

続編の制作

ファーストシーズンの好評を受けてシーズン2の制作が決まりました。まだ詳細な情報は明かされていませんが、ジェームズ・ガン監督が全ての脚本を書く事が現時点で決まっているようです。

ピースメーカーとジョンシナ

ピースメーカーを語るならこの人は外せません!

ピースメーカー役のジョンシナ。

ジョンシナに関してはこちらの記事にまとめました

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